「難病」と一口に言いましても、それがどの病気を指し示すものなのか、定義はあいまいなものですね。国の難病の定義は以下です。
「1.原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病」、
「2.経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」
やっぱり、あいまいなものですね。
「特定疾患」として病院が難病だと認めてくれる病気の種類は、およそ120位あって、その半分以下には国が医療費を助成してくれる疾患があります。今後、医学の進歩により、新たなカテゴリーの病気も見つかることもあるし、治療法が確立されて治療可能になることもあったりで、「特定疾患」の数は増加も減少もするでしょう。
余談ですが、病院での度重なる検査で異常なしとされ、心療内科にたらい廻しされる症状は難病とは定義されないのでしょうね。患者さんにとっては、とても難のある病気だと思うのですが。
症状の根本的回復はなくとも、少しでも病気の進行を遅くしようと、当院に月に2〜4回のペースで継続的に来院している患者さんが複数いらっしゃいます。それぞれ、慢性関節リウマチなどの膠原病やパーキンソン病の進行遅延を目的として、ガンの再発の予防の一助として、難治性疾患の痛みの軽減としてなどで、来院されています。
患者さんにとっては予防や健康維持のためという意識が強いかもしれませんが、予防のための治療がいつのまにか治癒に結びつく事がまれにあります。たとえば、鍼灸治療を続けていくうちにリウマチの症状が消えてしまった場合などは、よく耳にします。でもそこには患者さんの日々の健康管理という努力もあったでしょうし、治したいという前向きな気持ちもあり、それらが相乗効果を生んで、リウマチの治癒に結びついたものではないか、と考えます。
というわけで、日々難病治療に挑戦中です。病院では難病治療の場合「絶対に治らない」ことを前提に薬を出しているようですが、やはり「治る」ことを意識して治療した方が良いと思いませんか?
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