食物繊維が入っていると、糖質の吸収スピードが遅くなる。そして、血糖値上昇が穏やかになる。もうこの事はご理解頂けていると思います。
食物繊維が少なく、糖質のカタマリと言っても過言ではない食品の一つである「炊き立ての白米」。実際、GI値が高くて血糖値を急上昇させてしまうものです。ですが、これは「ホカホカご飯」の状態であればの話なんです。ウソのような本当の話、この美味しそうなご飯、冷えた状態だとGI値が低めになるのです。
冷めたご飯って、硬くなりますよね。おにぎりもそうですし、お弁当の冷えたご飯も炊き立ての時と比べて硬く、少しボソボソした食感になりますが、これはご飯が冷える事によって、お米を構成する組織ごとの結合を強くする性質があるからなのです。
組織ごとの結合が強くなったデンプンは、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)と呼ばれ、食物繊維と同様の性質を持つようになります。但し、お米のデンプン全てが変わってしまうことはなく、20%程度が難消化性となるらしいです。
勘の良い方なら、もうきっとお分かりの事と思います。冷えたご飯は、消化されにくいデンプンなので、食後に消化するのに時間がかかる→血糖値上昇がゆるやかである、という事です。
覚えましょう!
冷えたご飯→レジスタントスターチ化→吸収が穏やか。
冷えたご飯を温めなおすと、また組織同士の結合が緩くなってしまうので、血糖値上昇が起きやすい食品に戻ってしまいます。お弁当やおにぎりは、冷えた状態のままで食べる事で、レジスタントスターチの恩恵を享受することが出来ます。
ちょっとお腹冷えるけどね。
炊いたお米が冷えた状態、おにぎりは冷めていても美味しいですよね。という事は、みたらし団子も一緒ですよね。冷蔵庫で冷たくした、米が原材料の団子。難消化性デキストリン入りのお茶と組み合わせたら、血糖値上昇抑制、しっかり効きそうですね。
などと、レジスタントスターチについて根本的に理解してみれば、血糖値上昇を抑えるためのアイディアが色々と沸いてくると思うのです。
さらに、調理後に冷えたデンプンと言えば、ざるそば・冷製パスタ・冷やし中華・冷製そうめんなど、蕎麦や小麦が原材料のものも、レジスタントスターチとして、血糖値上昇が穏やかな糖質となります。
たとえば食物繊維豊富な野菜と、冷たい蕎麦。ちくわや蒲鉾・卵焼きなどを添えてタンパク質をプラスすれば、理想的なメニューとなりますね。冷えたものばかり食べていたら、内臓を冷やしてしまいますので、50度くらいの温度のスープと一緒に頂くのが良いかと思います。レジスタントスターチは、再加熱されれば消化吸収されやすい形に戻ってしまいますので、熱すぎない飲み物と一緒に頂くようにするのです。
血糖値コントロールを意識する必要があるのは、血糖値が高い人だけではなく、健康長寿を求める人全員。美味しい物を罪悪感なく楽しむ事が出来れば、それは二重に幸せな事と思います
冷めたおにぎりと、炊き立てご飯、全く同じ量のお米を食べた時、それぞれ消化吸収スピードに大きな違いが生じるので、当然食後血糖値上昇のスピードも大きく異なる訳です。消化吸収が穏やかで、血糖値が緩やかに上昇する食事は、食後に来る空腹までの時間が長くなります。
「お腹が空いた、何か食べたい」という感覚は、血糖値が下降してくる事を脳が感知して発生するものです。吸収スピードの速い食事は、血糖値の上昇スピ―ドが早く、一度に大量のインスリン分泌を招き、血糖値の急下降が起こるので、それを感じた脳は、食後あまり時間が経過していないにもかかわらず、食欲を奮い立たせてしまいます。消化吸収スピードが遅いと、その逆の現象が起こります。
これは実際に体感してみる事をお勧めします。例えば普段いつも朝食でパンを食べている人であれば、それを冷たいおにぎりに変えてみて、昼の何時頃にお腹が空いてくるのかを実際に確認して記録を取っておくのも面白いと思います。まあ、朝食と昼食の合間にチョコレートをつまむのが悪い習慣として身に付いてしまっているような場合は実感しにくいかもしれません。
ちなみにこの話は、甘い物の中毒に陥っている人が否定したがるものです。
次回、鍼灸師高木の2型糖尿病論その5では、まあ何か書きます。
このページのまとめ |
難消化性デンプンとは、冷えたデンプンが食物繊維のように消化吸収スピードを穏やかにしてくれるものである。 急激な血糖値上昇を抑えるメニューは、創造性次第で大きく広がる。 |
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