健康目的であれ、ダイエット目的であれ、食欲が我慢出来ることに憧れを持ちつつも、失敗、つまり途中で「食べてしまう」人からアドバイスを求められることが多々あります。そんな方達に、役に立つのかどうかはわかりませんが、ポイントを一応書いてみます。が、ラクして痩せる方法など前にも後にも出てはきません。
まず、己の「食欲」というものに対して、真剣に向き合ってみた事はありますか？
食べたいという欲求とは何か、例えば目の前に美味しそうなケーキがあり、あなたはそれを食べる権利を有しており、あなたがそれを食べる事によって誰かに迷惑をかけることもない、という状況に直面した時、その状況の真っ只中で、ご自身の心を静観した事が今まで一度でもあるでしょうか？
鍼灸師の高木の断食法は、おそらく他のものとは若干異なるものであると思います。自身で思考し実際に己が実践している、生きた方法です。
鍼灸師の高木版 1日断食 24時間の断食です、やってみます？
●「少し食べる」よりも「食べない」方がラク。
食欲が増進してしまっては目標の達成がより困難になります。舌に味の情報が入ってしまうと、食欲が大いに刺激されてしまい、血糖値の上昇を脳が確認するまで、食に対する欲は強い状態で維持されます。なので、「少しだけ食べる」という行為は、「沢山食べる」行為を助長します。実際に実践したことの無い人には、どうしても、「全く食べない」よりも「少し食べて我慢」の方がラクと想像しがちですが、実際は逆。やってみればわかります。根拠のない想像だけで物事を断定する癖のある人は大抵、損な人生を送っている人であると、高木は人間観察をしていて、いつもそう思います。
●「カロリーゼロ」食品は、食欲を増進させられてしまうので、避ける。
したがって、「カロリーゼロ」食品は、「沢山食べる」行為を助長するだけです。味覚を得ることからの刺激により、食欲が増進され、さらに血糖値が上がらない状態となり、食べたい欲は肥大します。カロリーゼロの食べ物も、飲み物も食欲を刺激します。ここで多くの方が気づかれると思います。低カロリーで満腹感が得られるといううたい文句のダイエット用おからクッキー、この類のものも避けるべきなんです。低カロリーの食物が胃で水分を吸って膨張しても、血糖値はあまり上がりません。結局カロリーある食物を猛烈に欲する状況になるだけです。こんにゃくゼリー、こんにゃくラーメン、これらも一緒です。胃袋がほとんどカロリーのない物で満たされても、食欲は収まりません。「カロリーが低くても胃の中が満たされるから満足！」なんて発想はまさに机上の空論、これも実際にやってみればわかります。根拠ない憶測で安易に物事が運ぶと思ったら大間違い、食欲というのはそんな単純なものでは決してありません。
●食欲から「逃げる」のではなく、むしろ積極的に「向き合う」。
食欲に対して真剣に向き合ったことが無い人は、根拠のない想像で、カロリーゼロ食品で満腹すれば痩せられるなどと安易な行動を繰り返しては失敗し、なおかつその経験から学ばない、という悪循環に陥っている場合が多いと、高木は考えています。
このページの最初の方に、「例えば目の前に美味しそうなケーキがあり、あなたはそれを食べる権利を有しており、あなたがそれを食べる事によって誰かに迷惑をかけることもない、という状況に直面した時、その状況の真っ只中で、ケーキに手をつけず、10分、20分、30分と、ご自身の心を静観してみた事はありますか？」という文章がありましたね。
断食中は、積極的に”食べること”に関係する物事に関わる方が、ラクです。断食中に、デパートの地下食料品売り場の中を歩き回り、美味しそうな香りに囲まれながら、美味しそうなものをじっくりと眺めましょう。「そんなの耐えられない！」などど、決して想像で断定しないこと。つべこべ言わずに、実際に実践してみましょう。空腹のまま、食べ物に囲まれて、視覚と嗅覚が刺激されても、味覚が刺激されなければ、食欲はあまり増進されません。美味しそうな香りに囲まれ、美味しそうなものをと眺め、そして今日は食べないと心で決めている状態、まさに食欲と向き合っています。10分ほど店内を歩き回り、何も買わずに、何の試食にも手を出さずに、店から出ましょう。「意外と平気」な自分に驚くかもしれません。そして1日断食をやり遂げる自信がつくでしょう。
●水以外、一切口にしない。
水の味は、食欲を増進させる効果などほとんど無いでしょう。むしろ食欲を若干紛らわせることが出来るかもしれません。そして、水分は健康維持に必須です。食事をしないかわりに、普段より多く水を摂取する必要があります。お茶やらコーヒーやら、味のついた液体は避けましょう。水だけ飲みましょう。理由は上に何度も出てきています。味覚は食欲を増進させます。
●いわゆる「断食道場」など無用。
断食とは名ばかりの、ゆる〜いルールの断食道場が世の中には沢山あるようですね、断食どころか色々食べ放題な、つまり全然断食じゃない、行う意味が不明なものも多々。まあそれはともかく、わざわざ仕事を休んで、高い料金を払って、遠方に出向いて行うようなものか？と高木は思います。日常で当たり前に出来るものでなければ、実用性が無いと思います。また、仮にもし、これらに参加し、１日の断食を無事達成したところで、それは残念ながらあなたの精神力の賜物ではありません。あくまで他力です。他者の力を金銭で買って、ただ「やらされた」だけの話、自力で同じことが出来る力を得た訳でも何でもありません。過大評価な自信を得たつもりで増長したところで、では次は一人で実践出来るのかといえば、まず不可能というのが大半、自分の心としっかり対峙しないと何も変わりません。
「金は払うが努力はしない」態度は、金さえあれば何でも買えるとでも思っている思考回路から生み出されるのかもしれません。
このページ以外にも、高木は当ホームページ内で、ダイエットについての記事を書いていますが、同時に鍼灸でダイエットなど無い、と書いています。鍼するだけで痩せるなんて技法が本当に実在していれば、高木は必死でそれを学ぶでしょう、だって多くの患者さんがあこがれている夢のような技術ですから。
自分でこう書く人はあまりいませんが、鍼灸師の高木は勉強するのが大好きで、毎日毎日色々と好んで勉強しています。インターネットのお陰で、学術論文が山ほど手に入りますし、英語が読めるとその量はさらに膨大ですから、もう勉強やりたい放題です。いい時代に生まれた事に日々とても感謝しています。そして、断言します。
「やせる鍼、なんて無いですよ。」
耳に銀の粒やら小さいハリを付けて、食欲を抑えるツボを刺激！なんて、実際にそんな手法で食欲が見事に抑えられている状態など、みたことがありません。経営状態が厳しい整体屋さんとかがこの手のセミナーに飛びつきたくなる気持ちは理解できますが、ただカモにされているだけと、彼らは参加を決める前に気づくべきでしょう。
もし万が一、やせる鍼の技法に高木が出会ったら、即座にこのホームページで報告します！・・・ とでも書いておきましょうか一応・・・・根拠のない想像だけで、己の知識のみで物事を断定しちゃダメですから。
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