本文へスキップ

福岡市の鍼灸専門高木治療院、対症療法薬というものについて。

福岡市中央区の鍼灸院です。
〒810-0022 福岡市中央区薬院1-6-5
ホワイティ薬院302号

対症療法薬で治ったと勘違いする人々

細かすぎる事ではないですよ、重要なことです。


 残念ながら、痛みなどの症状が薬で軽減すると、薬が効いて治ってきているという勘違いを続けてしまう人がいます。対症療法薬であるにもかかわらず、その効能が痛みの根本原因に対して回復を促す作用を与え、根本的に治癒されているという勘違いを続けてしまう人がいる、ということです。

 「先週から風邪だったのですが、風邪薬を飲んで治しました。」という台詞はその典型例、対症療法薬で風邪のウィルスを駆除出来たとでも思ってそう発言してしまうのでしょうが、そんな薬、この世の中、世界中どこを探しても見つかりませんし、近年中に発明される可能性はほぼ無いでしょう。
 ”根治療法”と”対症療法”の区別を認識出来ている人の方が少数派なのかもしれない、と高木は日常の臨床で思わされています。

 急性の腰痛に対して「病院で腰に注射を何回か受けたら治りました。」という台詞、これも典型例です。麻酔薬が傷を塞ぐ作用を持つはずもなく、注射の効能により腰が治ったという大勘違いが、”注射で治った”という思考の土台にあるということです。対症療法ですから、そんなもの。注射しなくても寝てれば治ってたという事です。

 外科手術等を除いて、病院が単なる”対症療法”の場に成り下がってしまっている大変お粗末な現代医療状況のおかげで、当院をはじめ病院以外の治療手段を求める患者さんが沢山存在する訳です。治すために病院に通っているつもりが、症状を誤魔化す手段を提供され続け、おかしいと気づいた時に、病院以外の治療手段を探しはじめる、今この文章を読んでいるあなたがそうかもしれません。

 外科手術等を除いて、病院が単なる”対症療法”の場になっている理由として、地味で地道な作業になりがちな根治療法よりも、「薬を飲むだけでOK!塗るだけでOK!あなたは何の努力もしなくていいんです!」という対症療法の方が結局は多くの人の支持を得ることが出来ているという現実の反映かもしれません。

 ついでに面白い現象を一つ、「風邪薬を飲んで治しました。」発言をした患者さんに対して、”根治療法”と”対症療法”の違い、そして風邪薬が単なる対症療法薬に過ぎないことを説明すると、「え、そうだったんですか?」と一時的に理解を表面上は示すのですが、その場限りまたはまともに聞いていない場合がほとんど。”風邪をひいたら風邪薬で治す”という思考が変化しない場合が大多数です。
 思い込み期間が長いと、もう修正される事はなくなるのかもしれません。見事に学習しないのです。少数派じゃありません、多数派ですよ、こういう人。

 これからも、上記大勘違いをし続ける人が減る可能性は、残念ながら非常に低いと、高木は思います。


治療奮戦記に戻る。

福岡市の鍼灸院
Takagi Acupuncture Study
鍼灸専門 高木治療院

〒810-0022
福岡市中央区薬院1-6-5
ホワイティ薬院302号