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福岡市の高木治療院、ダイエットのお話その1。

福岡市中央区の鍼灸院です。
〒810-0022 福岡市中央区薬院1-6-5
ホワイティ薬院302号

ダイエットの実際 その1

耳に痛い話 その1


 ダイエットというものに対して、失敗し続けている方に向け、具体例を挙げ、忌憚(きたん)の無い意見を書かせて頂きます。

 「9日間でー4Kgの減量が目標のクッキー」という商品が、とある通販サイトで、とてもよく売れているという時期がありました。これについて容赦なく書かせていただきます。

おやつ

 このダイエットを始める前に体重測定、そして9日間後に体重測定、4キロ減っていることを目指すということですね。重要なポイントですが、体重計の目盛りを下げるのが目標なのであって、−4Kgの
内訳は体脂肪以外何でも良いって事でもある訳です。

 30歳標準体重の女性が、1回分の食事をおよそ150Kcalのクッキーに変えるだけで、運動などは特にせず、9日間で体脂肪を4Kg減らすという目的で、9日間のレシピを考えてみるとしましょう。
 厚生労働省のホームページ内にある、食事バランスガイドを参考に、デスクワーク中心の仕事をしている30歳女性が一日に必要な摂取カロリーを見てみますと、1800(±200)Kcalという数値が出てきました。まあ1800Kcalとしましょう。そして、体脂肪1Kgを燃焼させるのに必要な消費カロリー、これは7000Kcalという数値を採用しておきましょう。

 体脂肪4Kgを9日間で燃焼させるため、7000X4=28000、9日間で28000Kcalの制限が必要という計算になります。

 それで、一日あたり制限すべきカロリーは、9日間で割るのだから、28000÷9=3111.11 。

 一日あたり3111Kcalを制限しなくてはならない、という計算になります。一日に必要な摂取カロリーは1800Kcal、でも一日に3111Kcalを消費しなくてはなりません。何も食べなくても一日あたり1311Kcalが余剰です・・・。クッキーなんて食べている場合ではありません。1311Kcalを消費するためにはどうしても運動が必要ですね、だって、もう削る所ありませんから、軽いランニングを毎日取り入れ、カロリーを追加消費するとしましょう。

では、とりあえず9日間で体脂肪を4Kg減らすスケジュールです。

 体から一日あたり3111Kcalを削り取るべく、ハードなメニューが完成しました。

   朝食  昼食 おやつ   夕食  デザート  ランニング
 1日目  水  水  水  水  水  3時間
 2日目  水  水  水  水  水   3時間
 3日目  水  水  水  水  水   3時間
 4日目  水  水  水  水  水   3時間
 5日目  水  水  水  水  水   3時間
 6日目  水  水  水  水  水   3時間
 7日目  水  水  水  水  水   3時間
 8日目  水  水  水  水  水   3時間
 9日目  水  水  水  水  水   3時間

 9日間で体脂肪4Kgを減らすには、9日間断食+毎日3時間の軽いランニングが必要と考えられます。大変危険な行為です、絶対にやらないでください。命を落とす可能性あります。やる人いないと思いますが。

 ではとりあえず9日間、特に運動はせず、朝昼晩の食すべてを、クッキーに切り替えてみたら、理論的に体脂肪はどうなるか、計算してみましょう。
 クッキー1食が150Kcalとして、それを3食なので、一日の摂取カロリーは、450Kcal。一日の代謝量1800Kcalから450Kcalを引いて、一日のカロリー制限量は、1350Kcal.

1350X9=12150 それで 12150÷7000=1.7357・・・

 なんと、9日もクッキーのみで生きるという無謀な行為をしたところで、理論上、体脂肪はたったの1.7Kgしか減ってくれません。

 体脂肪が4Kg減るまで頑張るとすれば、どうなるか計算しますと、28000÷1350=20.740740・・・

 およそ21日間、つまり3週間毎日クッキー生活に耐える必要があるということになります。おそらく健康を害します。大変危険な行為と考えられます、絶対にやらないでください。

 では、9日間でー4Kgの減量が目標のクッキーは、まったくの詐欺商品なのでしょうか。そんな事はありません。最初にも書きました通り、開始して9日後に、体重が4Kg減っていればいいのです。仮に9日間で体脂肪が1Kg減ったとして、あと3Kg別なものが減っていれば目標達成、広告にウソ偽りなしということになります。

 ダイエット開始から最初の方は体重が減りやすい、という話を聞いた事がある方いらっしゃると思います。実際は食事量が制限されることにより、身体のむくみとなって溜まっている大量の水分や、腸内に溜まっている大便などの排泄が進み、ほんの数日で体重が3Kg前後簡単に落ちたりするものです。体重の多い人ほど、この傾向は大きく出ます。なので、販売業者の示す方法通りにきちんと行えば、最初だけ9日で−4Kg体重が減るというのは、充分あり得るでしょう。体重はよく減りますが、体脂肪はあまり減りません。

ショートケーキ

 体脂肪はあまり減っていませんので、食事をダイエット以前のものに戻せば、体重は数日ほどですぐ元に戻ります。体脂肪を本当に4キロ減らせていれば、数日では戻りません。


 余分な体脂肪、そう簡単に減らせません。理論的には丸4日断食して、やっと体脂肪1キロ減です。地道に確実に、身体に負担のないように、一ヶ月で1〜2キロの体脂肪を落とすことを目標にする事をお勧めします。
 そもそも、なぜ体重が増えすぎてしまったのか、つまり普段から間違いなく食べすぎであるということを正しく認めるのが、まず最初にしなければならない最も大事と思います。

 食べすぎなければ太りませんし、太れません。

 水飲んでも太りません。

 水飲んでも太るという人は、きっと食べなくても餓死しない人と思います。


 私こと鍼灸師の高木は、自分自身で人体実験して、2005年10月から2006年3月の6ヶ月で、体重を64Kgから52Kgまで落とした事があります。半年で12Kg減です。身長は173cmありますので、見事にガリガリのぺらぺらになってしまいました。ダイエットなど無用でしたが、体脂肪1Kg減で7000Kcal消費という数値が本当かどうかなど、色々な生きたデータが欲しくてやりました。自分自身で実際にやってみて、体重の上下やカロリー制限中の心身の状態を実体験し、経験という生きた知識を得る事の出来る、優れた勉強法と勝手に思ってます。

 無理せず体調良好なまま、大好きなビールを我慢せず落としました。色々なデータを取るために若干無理をする期間もありましたが、おおむね一ヶ月およそ2Kg減のペースです。
 方法はとてもシンプル、カロリー制限です。一年かけて60Kgまでゆっくり戻しました。体脂肪率は、あまりアテにならない家庭用の体重計での数値ですが、19〜20%。リバウンドなんてものではなく、健康的な体形に意図的に戻しただけです。


 この実験の体験から、リバウンドだの停滞期だの、ダイエットに関する巷のヘンな言葉の示す現象についての本質を、いろいろと突き止めることが出来ました。

 肥満傾向の人が、食べすぎを止め、健康的にやせると、とても良い影響が出ます。むくみが軽くなるし、身体は軽くなり、肌は綺麗になって、若返ったように元気になります。

 断言します。楽してやせれる特別な方法なんて、ないですよ。鍼灸術で体脂肪を減らすなんて、無理ですよ。耳に何か貼るだけでやせるなら誰も苦労しません。


 一ヶ月で確実に体脂肪1Kg落とすことが出来るなら、一年継続でマイナス12Kgが無理なく可能ということですよ、地道が一番です。

 9日でー4Kgだとか、6日でー3kgだとか、こういう詐欺まがい文句にダマされないように、悪徳商法にダマされないように注意しましょう。まあダイエットを謳う商品ほとんどが、それに該当すると私は思いますが。


 しつこい位に繰り返しますが、余分な体脂肪、簡単に減らせません。理論的には丸4日断食して、やっと体脂肪1キロ減です。ウソだと思うのであれば、丸一日断食して体重の変化を観察してみてください。理論的には体脂肪250グラム減です。たったの250gです。

 一瞬体重は1〜2Kg減るかもしれませんが、3日以内に体重はほぼ元に戻ります。あんなに頑張ったのに、体脂肪は250グラムしか減ってませんから、情け容赦なく、体重はほぼ元に戻ります。250グラム減なんて、家庭の体重計ではほとんど確認出来ない上に、人の体重は標準体重な方でも朝と夜で1Kg以上の増減があっても普通ですから。

 でも、たったの250gを10回積み重ねれば、体脂肪2.5Kg減です。

いちごショートケーキ

 当院で上記のお話を聞いた患者さんが、何人も健康的なダイエットに成功しています。(断食じゃないですよ、体重と体脂肪の違いのお話です。)鍼灸では体脂肪は減りません。患者さん個人の正しい認識と地道な努力でダイエットに成功されています。


 体重は、あくまで身体すべての重さの総和に過ぎません。体脂肪も、膀胱に溜まっているオシッコ、大腸に溜まっているウンチ、むくみとして全身の皮膚に溜め込んでいる汗も、全部含めて体重です。 たとえば数日の便秘が解消された直後に体重は減ります、体脂肪は減りません。水を飲んだ直後に体重は増えます、体脂肪は増えません。

 サウナで500ml汗を流せば、その場で体重は減ります、体脂肪はほとんど減りません。従って、体重というものはダイエットの成果の目安に使うには、あまりに不安定な数値です。毎日計って一喜一憂するストレスが、ダイエットに良い影響を与えるとは限りません。


 現実をしっかり見据えて、それに見合った食事をする、それだけです。


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