血糖値上昇をおだやかにするトクホのお茶と、そうでないお茶の違いは、水溶性の食物繊維を入れているか、いないかの差、ただそれだけです。
お茶の中に、難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)を、一定量溶け込ませた飲み物ってコトです。ただそれだけです。
覚えましょう!
難消化性デキストリン=水溶性食物繊維
ちなみに、難消化性デキストリン単体で売ってます。このページの筆者である鍼灸師の高木の手元にもあります。
見た目は粒子の粗い白い粉末です。この難消化性デキストリンを、普段の飲み物に入れれば、トクホのお茶と同じ、水溶性食物繊維を含んだ飲み物がカンタンに出来上がってしまいます。難消化性デキストリン、インターネットで簡単に購入出来ますし、高価なものでは全然ありませんよ。
食物繊維の摂取量と血糖値の上昇には密接な関係がありまして、充分な食物繊維を含む食事の摂取が出来ていれば、食後の急激な血糖値上昇が起こらず、すい臓に強い負担をかけずに済むのですが、世の中には食物繊維が少なく、しかも糖の吸収スピードがとても速い食べ物が氾濫しているのです。
例えば甘~いシュガーコーティングのドーナツ!3時のオヤツにいきなりガブリでは、血糖値急上昇不可避の危険なスイーツであります。
ここでドーナツを食べる直前に、何か食物繊維が豊富な一品を食せば、血糖値上昇を穏やかに出来ます。ドーナツの前にまずは・・・
スイーツの直前に野菜サラダでも食べますか?ちょっと、いや、かなり違和感ありますよね。そこで便利なのが、難消化性デキストリン。
ドーナツに合わせて、トクホのお茶でもいいですし、難消化性デキストリンを入れたコーヒーや紅茶を楽しめば、ドーナツ直前に野菜サラダなど食べなくても、血糖値急上昇を抑えることが出来るのです。
スイーツだけではありません。食物繊維が少なく、糖質たっぷりの食べ物は沢山あります。いわゆる不健康な食べ物達と対峙する際、まあ、ある程度ですが、トクホのお茶を一緒に摂取することで、すい臓の負担の軽減は可能です。あと、トクホのお茶飲んでも、摂取カロリーは減りませんよ。
くれぐれも勘違いしないで頂きたい点ですが、難消化性デキストリンでトクホを得たお茶が体脂肪を分解したりしません。痩せるお茶みたいな印象をお持ちでしたら、それは完全なる勘違いですよ。
なので、スポーツ中の水分補給にトクホのお茶飲んでも、意味無いですよ。ウォーキングしながら難消化性デキストリンのトクホ茶飲んでる人、たまに見かけますが、運動中に食物繊維の補給って何の意味があるのか逆に聞きたい。高濃度茶カテキンのトクホ茶も運動中の飲料として適しているかどうか大いに疑問です。減量目的のウォーキングには、アイスブラックコーヒー(200ml未満)とアミノ酸入りのスポーツドリンクを両方持っていくのがお勧めです。
あと、食物繊維豊富なお料理を召し上がる時、トクホのお茶なんぞ一切無用です。食物繊維の豊富な食事に難消化性デキストリン飲料を摂取したところで、血糖値上昇に差はほとんど出ません。元々、普段から健康的な食事をしている人にとって、トクホのお茶なんて不必要なんです。
余談ですが、筆者の鍼灸師高木は、普段から健康的な食事を心がけていますが、パーフェクトではありません。また、毎年秋から冬は意図的に体重を増やし、冬から春にかけて体脂肪率を10%あたりまで減らす減量を行い、なおかつ食いしん坊なので、この難消化性デキストリンを有効活用した血糖値コントロールによる体重管理を行っています。この詳細については、当サイトの別ページ、鍼灸師高木のダイエット論で書きますので、ご興味のある方はそちらをお楽しみにしていて下さい。
週刊新潮:”トクホの大嘘「魔法の成分」難消化性デキストリンは効き目ゼロだった!血糖値の上昇は抑制されない!”
とまあ、鼻息荒くもこんな大見出しを付けてしまって、むしろ新潮記者の知識不足が露呈してしまった、という事が2017年の3月末にありました。
この問題の記事をそのまんまコピペしてしまうと、著作権的にちょっと問題あるかもと思いましたので、ここには記事本文を掲載出来ませんが、「新潮 トクホ」のキーワード検索で簡単にその記事が見つかると思いますので、興味のある方はそちらで新潮の記事本文を探してみて下さい。
まあ全体的に色々とツッコミ所のある新潮さんの記事なのですが、ここでは「難消化性デキストリンが血糖値上昇に対して効き目ゼロ」と書いておきながら、本文で的外れな論を展開している所を説明したいと思います。
まず某大手2社の難消化性デキストリン入りのお茶、それぞれその効能の裏付けとなる論文・文章がホームページにあり、その文を専門家の手を借りて徹底的に調べたのだそうです。
某大手HPに記載された文には、難消化性デキストリン入り製品を飲んで食事するグループと、難消化性デキストリンの入らない飲料を飲んで食事するグループで、食後血糖値を比較し、難消化性デキストリン入り飲料を飲んだグループの方が食後血糖値上昇が抑制されたという事が書いてあったということですが、新潮さんの記事は、ここにおかしなケチをつけ始めます。
新潮さんの記事では、2社ともが、大盛りカレーライス、きつねうどん+ふりかけご飯と、炭水化物が多くて非常に血糖値の上がりやすい食事をさせていて、こんな限られた条件下で得られる血糖値の上昇抑制が、長期的に見てどれくらいの意味があるのかは検証されていない。という指摘らしきものをしています。
さらに、「ごく日常的な食事を摂った場合」として、2010年に出された論文「特定保健用食品の問題点 食後血糖値上昇を抑制する茶飲料の日常生活条件下での効果検討とダンベル体操との効果比較」というものを持ち出し、「鮭定食、ハンバーグ定食、豚めしという日常的な試験食」を摂取しながら難消化性デキストリン入り飲料を飲んでもらったが、有意な血糖値上昇抑制は起こらず、有意差が出たのはダンベル体操だけでした。と結んでいます。
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突っ込み入れますね。炭水化物が多く、非常に血糖値の上がりやすい食事に対する効能こそが難消化性デキストリン入り茶の強みなのですが、新潮さんに協力したという自称専門家さんは、この事をご存じないようですね・・・栄養学や生化学とは無縁の方なのでしょうねきっと。
あとね、カレーライスやきつねうどんというメニューで、非常に血糖値の上がりやすい食事を摂ることが限られた条件下ってどういう事?、つまりレアなケースだとでも言いたいのでしょうか?。随分と世間知らずでいらっしゃるようで・・・。非常に血糖値の上がりやすい食事ばかりしている方、非常に血糖値の上がりやすい食事しかしていない方がとても多く居る(おそらく日本国民の過半数)のですよ。ファストフード、大手弁当屋チェーンの弁当、そば・うどん単品、ファミリーレストランの定食などの、ほとんどが非常に血糖値の上がりやすい食事なのですが・・。
それから、鮭定食、ハンバーグ定食、豚めしという日常的な試験食の詳細なレシピ載せないとダメですよ、それぞれ日常的な試験食なるもののマクロ栄養素と食物繊維の量を示さないと、判定出来ないです。だって、例えばその定食に大盛りサラダがついていて、被験者にそっと「サラダを先に食べると太りにくいですよ。」なんて囁いたりすれば、難消化性デキストリン入り飲料を効果ゼロという結論に誘導したがっている人の意図通りの結果が出ますからね。上記で書きましたが、そもそも食物繊維が豊富な食事に難消化性デキストリン入り茶は無意味ですから。それなりに栄養学と病理学の知識あればわかるでしょ、自称専門家さん。
あともう1つ、なんでダンベル体操が出てくるの?
運動すりゃあ血糖値は有意に下がりますよ、当たり前じゃないですか、筋肉の運動エネルギーとしてその場で糖が消費されるのですから。で、水溶性食物繊維と血糖値の関係についての場面で、なんで「ダンベル体操」なんてトンチンカンな話題を割り込ませるのか意味不明ですね、比較対象に何で運動なんだよ、食物摂取の話題からかけ離れ過ぎてますぜ、自称専門家さん。まるで、マラソン選手の話をしている最中に、いや自動車の方が速いぞと豪語してしまっているようなものですね。あまりにも低レベル、ホントに酷い。これで「神聖なるジャーナリズム」とか、冗談きつすぎる。
本当は4月1日付の記事にするつもりだったのかもしれませんね。
次回、鍼灸師高木の2型糖尿病論その4では、「おにぎりダイエット」というものから、血糖コントロールの具体例を持ち出したいと思います。身近な話題から少し掘り下げて、小難しい話に持っていきたいと思います。
このページのまとめ |
難消化性デキストリンとは、水溶性食物繊維のことである。 食物繊維の摂取量が足りないと、急激な血糖値上昇が起こりやすくなる。 |
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