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鍼灸師高木のダイエット論、脂質について詳しくなるためのページ。

福岡市中央区の鍼灸院です。
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ホワイティ薬院302号

鍼灸師高木のダイエット論how to reduce your weight healty.

8.脂質について詳しく知るべし、その1

脂質を知らずしてダイエット成功は無し。


豚のアブラ

 高木のダイエット論の文章では、やたらと脂質が強調されているという事に、もうお気づきのことと思います。

 三大栄養素の中で、脂質は太る要素満載の栄養素である事から、繰り返し強調していたのですが、その理由について説明していきたいと思います。

 まず、脂質の代謝について、つまり摂取した脂質が、身体にどのように吸収されるかについてカンタンに説明します。ダイエットに必要なだけの最低限の浅いレベルでの理解で充分ですので、難しいことはありません。

 食事から摂取した脂質(中性脂肪)は十二指腸や小腸で、消化酵素のリパーゼによって分解されて、脂肪酸グリセロールに分かれます。このうち、グリセロールは小腸から毛細血管に吸収されていき、解糖系にて代謝(分解されつつ身体の中の化学反応に使われる、くらいに思っていれば充分です。)されたり、糖新生と言って、グリセロールから糖分に変換されて活動エネルギーに使われる経路へ行くことになります。まあ、グリセロールの代謝については、あまり気にせず、以下に紹介するもう一方、脂肪酸の代謝についてがダイエットにとって重要になります


黒板

 脂肪酸(←長鎖脂肪酸に限定・後で説明します)の方は、吸収可能な細かい粒子へと、さらに分解され、リンパ管から吸収されて血中に入り、主に脂肪組織(主に皮下脂肪)や筋肉組織、その他体脂肪内臓脂肪など)として貯蔵されます。
つまり即座に蓄積されますダイレクトに体脂肪になるという事です。

 この貯蔵された体脂肪(皮下脂肪・内臓脂肪など)は、血中のグリコーゲンが枯渇したとき、つまりある程度の時間、食べずに生命活動を維持している状態の時に分解されはじめてやっと、ゆっくりと消費される訳で、カロリー制限を行ったり有酸素運動を行わないと、多く消費されないから厄介なのです。さらに血中のグリコーゲンが枯渇したときには、体脂肪だけ都合良く消費されたりはせず皮膚や筋肉も分解してエネルギーに変え、活動熱量を保とうとするので、筋力の衰え、皮膚の荒れ・シワ増加・垂れ下がりを引き起こすことになります。

消費されやすいカロリー・蓄積しやすいカロリー


スリムと肥満

 マクロ栄養素のうち、最も蓄積しやすい栄養素が脂質なのです。では、炭水化物たんぱく質は?という疑問が出て来ますね、このページではごく簡単にお答えします。炭水化物は優先的に活動エネルギーとして使われ余ったら体脂肪として蓄積されますたんぱく質は、優先的に身体を作る材料として使われ余れば活動エネルギーに変換されて消費され、また体脂肪としても蓄積されますが、余剰が出る程摂取するのはむしろ困難と考えられます。

 「炭水化物たんぱく質は、まず使われて、余れば貯める脂質はいきなり貯める。」という事です。

 例えば、炭水化物90グラムと、脂質40グラムは、どちらも360kcalです。同じ360kcalでも、炭水化物の360kcalは、食べてもすぐ活動エネルギーとして使われますので、それなりに活動していれば残さず消費するのは容易です。ですが、脂質40グラムの360kcalを消費するのは大変なのです。このページの前半に、「貯蔵された体脂肪は、血中のグリコーゲンが枯渇したとき、つまりある程度の時間、食べずに生命活動を維持している状態の時に分解されはじめてやっと、ゆっくりと消費され・・・」と書いた通り、体脂肪を燃焼させる条件を整えて、筋肉や肌の健康を犠牲にしながら、ゆっくりと消費することになります。


油まみれ

 脂質摂取量に敏感になる事は、ダイエットを確実に成功させるための必須条件と言えます。ケトジェニックダイエットや、アトキンスダイエットについてご存じの方もいらっしゃると思いますが、これらの方法を用いる場合でも、脂質摂取量を把握することは大変重要ですよ。

 しつこい程に繰り返しますが、何となくな健康的イメージを根拠に置いた和食メニューを意識した所で、せいぜいたんぱく質不足の糖質脂質過多な、PFCバランスの良くないメニューになるのが関の山です。栄養成分を意識していないと、思いもよらぬ所から、大量に脂質を摂取してしまうものです。消費困難な脂質を無神経に大量摂取して肥満に陥る訳です。あまり食べていないつもりが、肥満化する条件がしっかり整った食生活を無意識に取り入れている訳です。

消費されやすい脂質・蓄積しやすい脂質


 脂質はダイレクトに体脂肪になる、と前に書きましたが、実は例外もあります。多くの食品に含まれる脂肪酸は、分子構造上、炭素数が13以上連結されている長鎖脂肪酸なのですが、ごく一部の食材が含む脂肪酸には、その炭素数が8~12という構造の中鎖脂肪酸が含まれている場合があります。有名なものとして、ココナッツオイルがあります。


ココナッツオイル

 この写真の商品の場合、中鎖脂肪酸比率が62%。そして世の中には中鎖脂肪酸100%のオイルも市販されています(MCTオイル、で検索してみて下さい)。

 ではその中鎖脂肪酸の代謝について説明します。脂肪酸グリセロールに分かれた後、長鎖脂肪酸と比べて分子が小さい中鎖脂肪酸は、腸管にてそのまま分解されずに毛細血管に吸収され、遊離脂肪酸のまま血液に乗って肝臓に運ばれ、即利用可能なエネルギーとして使われます。つまり、いきなり体脂肪になるような心配が無いのです。これはダイエットにおいて極めて有用と言えます。

 高温調理しても大丈夫なので、調理油の代用品として使えますし、例えば朝食のトーストに塗るバターやマーガリンの変わりに使えば、同じカロリーでも活動エネルギーとして消費しやすい脂質としての摂取になりますので、午前中の活動エネルギーとして即消費され、ダイエットに効果大という事なのです。


トースト&バター

 吸収後に即エネルギーとして使われる点においては、炭水化物と共通のようにも思えなくもないのですが、決定的な違いがあります。それは、「インスリンに依存しない」という点です。後に炭水化物の説明の中で、インスリンについての解説も加える予定ですので、そこでも、中鎖脂肪酸に登場してもらうことにします。

 *「ココナッツオイルは糖質と一緒に摂ったら無意味」などという勘違いしている方が少なからずいらっしゃるようですが、全くのデタラメです。栄養学の知識無く、ただ「糖質と脂質を一緒に摂ると太る」という文言を非論理的に鵜呑みにしてしまっている人ならではの勘違いと言えます。中鎖脂肪酸糖質と一緒に摂っても変わらず消費しやすいカロリーですのでご安心下さい。

 脂質について、まだまだ話が長くなりますので、続きは次のページにさせていただきます。このページの内容だけでも、脂質というものが、いかにダイエットにとって注意すべき重要な栄養素であるのか、なぜその摂取量に対して敏感になる必要があるのか、ご納得頂けたかと思います。でも、まだまだ足りません。さらに脂質について詳しくなりましょう!

 脂質について、知らないと損する事が、まだ沢山ありますよ・・・

このページのまとめ
脂質は吸収された後、即座に体脂肪として蓄積される。
体脂肪のカロリー消費は難しく、炭水化物のカロリー消費はとてもカンタン。
脂質の中で、中鎖脂肪酸は特別。ダイエットに積極的に活用すべき。


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このページの筆者紹介

鍼灸師 高木 秀樹
鍼灸専門・高木治療院にて、はり・きゅうを用いた治療を行っております。
美容鍼やらダイエット鍼やら、一切やっておりません。
脂質についての無知はダイエットを大失敗に導きます。




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