クイックマッサージ店にて勤務中のある日、同僚のバイトで当時鍼灸学生さんであったSさん(現在は兵庫県にて開業・高木が最も尊敬する経絡治療の実力者の一人)が手招きして「高木くん、ちょっと手ぇ貸してえな。」と、私の手を引っ張り、何かを手のひらにかざす。・・・手の平に、ピリピリ、ムズムズする感覚が走る!・・・・
高木「Sさん、何ですかそれ!?」
Sさん「てい鍼(しん)やで、知っとるやろ。」
・・・・当時、教科書の知識でしか知らなかった伝統鍼灸術、てい鍼を使った刺さない鍼の技法を、初めて体感した瞬間でした。
高木の鍼灸師人生を変えた 刺さない鍼 てい鍼
この出会いの日の夜、早速、鍼灸の業界紙の巻末にある、医療業者の通信販売欄から、てい鍼を探し出し、夜に注文ハガキをポストに投函、取り寄せました。てい鍼が手元に届いてからは、手のひらばかりでなく、己の全身の経穴(ツボ)にてい鍼をかざし、その反応を確かめては感動するという、本人にしか理解出来ない興奮状態で、検証を繰り返すのが、就寝前の日課となっていました。腹部の経穴に刺激を与えすぎて翌日下痢をしてしまったりなど、刺さない鍼の威力を、身をもって体感させられる日々でした。てい鍼の魅力にとりつかれていました。
およそ半年ほどのフリーター生活を送り、心身共に癒されたのですが、その職場のあまりの居心地の良さに、このまま居座ってしまってはいけないと、恐怖感を覚えるようにもなってきました。そして、「やっぱり、鍼灸がやりたい!」と強く思うようになり、泣く泣くクイックマッサージ店を辞め、完全歩合の出張鍼灸治療という業態の所でお世話になることになりました。
自分のやりたい治療が自由に出来るし、人気が出れば指名が増える、つまり独立開業に向けての実地訓練になると思ったからです。
さらに、日本伝統鍼灸術・経絡治療の勉強会に入会。ここは上記クイックマッサージ店で仲良くなった鍼灸学生のSさんらが既に入会していた勉強会で、あの”刺さない鍼”の技術をはじめとする、実践的な鍼灸術が勉強出来る所でした。この頃から、高木の鍼灸修行が本格的になってきました。国家資格所得は、修行のスタートラインに立った位に過ぎないものであると、今は考えています。
高木の昔話その4 てい鍼の実技を欲して勉強会入会へ。
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