”頭痛外来”は特別な科でも何でもなかった・・・
頭痛が治らなくて困っているという患者さんの来院は結構多く、その6〜7割が20代〜50代の働く女性。そして彼女らの頭痛のほとんどが、片頭痛・筋緊張性頭痛と病院で過去に診断を受けた経験があり、頭痛薬は病院で月2回貰いにいくか、近所の薬局で買った市販薬を常備。ちなみに当院に来院される頭痛持ちの患者さん達の支持率ナンバーワン頭痛薬は「セデス」、まあこれはどうでもいいとして、福岡に在住の方がわざわざ山口県の某病院の「頭痛外来」をわざわざ受診するといった話を耳にする機会が増えてきた。
永く頭痛に悩まされている人からすれば、「頭痛外来」のある病院がいかに遠方にでもあると聞けば、それはとても魅力的に思えるかもしれない。頭痛を専門に診察・治療してくれる科があるということは、今までの病院での頭痛治療とは違う、何か特別な治療法があって、今度こそ本当に私の頭痛が治るかもしれないと。
でもそんな期待は簡単に裏切られる。まずはCT・MRI検査などで症候性頭痛(脳内出血や梗塞や腫瘍などの病変による頭痛)であるかどうかの検査、ここで異常が見つかれば手術など具体的な治療へと移行する。検査結果に異常無しとなれば、片頭痛または筋緊張性頭痛などの診断名がつき、頭痛薬が処方され、「この薬を飲んで様子を見てください。」
一週間薬を試してみたが効果があまり無いと言えば、「では、別の薬出しますから、この薬を飲んで様子を見てください。」
また一週間薬を試してみたが効果があまり無いと言えば、「では、また別の薬出しますから、この薬を飲んで様子を見てください。」
さらに一週間薬を試してみたが効果があまり無いと言えば、「では、精神安定剤を一緒に出しますから、この薬を飲んで様子を見てください。」
さらに一週間薬を試してみたが効果があまり無く、薬で胃が荒れたと言えば、「では、前の薬出しますから、この薬を飲んで様子を見てください。」
なんにも変わらない・・頭は痛い・・多分担当医も頭が痛いだろう・・なぜならこれが病院での頭痛治療の限界だから。首根っこに麻酔薬を注射したり、後頭部に麻酔薬を注射する病院もたまにあるが、これも単なるその場しのぎ。根本的な治癒にならない。
偏頭痛・慢性頭痛・筋緊張性頭痛に対して、残念ながら現代西洋医学は無力に等しい。そして鍼灸治療は非常に有効であると思う。当院に来院する頭痛患者さんの多くが、治療直前まで頭痛があっても、治療中または治療直後に頭痛は消失する。病院では頭部のパーツしか診ないが、東洋医学的に頭痛を診る場合は頭部だけでなく全身に原因を探す。そして頭痛の原因が頭部のパーツ以外にも多種存在するということを東洋医学は知っている。1回の治療では、その場の頭痛を止めれても、頭痛の出る体質を改善するまでに至らないので根本的な治癒にならないが、5〜6回の治療で頭痛の出ない体質に改善させる事が出来る場合が多い。
山口県まで行って、頭痛外来を受診してみようと思っている方、まずは当院で頭痛の治療を受けてみてはいかがでしょうか。
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