意識的にも無意識的にも、物事の価値判断がお金である人。
病院での診察や治療はほとんどマニュアル化されていますので、どこそこの名医と呼ばれる医師のいる東京の大病院に行き、コネを使って教授だか何かの診察を受け、診断も治療も地方の個人医院と同じでがっかり、退職や手術まで本気で覚悟していたのに、あきらめ半分で行った地方都市の個人営業の若造鍼灸師の治療で事足りてしまった、なんて事は普通にあります。ですので、地位や財力を生かしたがゆえに、最適な治療を受けるのに、遠回りする結果になる場合だって実際ある訳です。
高い財力のある人のごく一部は、無意識的に自身が特別な人種であると勘違いしている節があったりして、高額な治療費さえ払えば特別な治療が受けられ、何でも金額次第で簡単に治ると信じ込んでしまっていて、自分が支払った金額による対価が気分的に納得いくかどうかが、判断基準となってしまう。「漢方薬とサプリメントで何百万円も使ったのに、この程度しか治らない。治るまでには二千万はかかりそうだ。」と、早速、根拠不在・意味不明な現金換算。全ての物事の判断基準がお金であり、健康にも命にも値札を平気で付けてしまい、口先だけではそれを否定していても、心の奥底で毎日電卓打っている悲しい人。その歪んだ価値判断が己の首を絞めていると気づかない悲しい現実。
「飛行機に乗って出向いて、ホテルに滞在して、日本で５本の指に入る教授の診察治療受けて治らなかったのだから、俺の病気はもう治らない。」と、自身の信念が作り出した根拠不在の費用対効果の惨憺たる結果に自滅してしまう人。
健康はお金で買えると思っている人は、大金をかけても治療効果が出ないことを経験した時、その人の中には健康というものが存在しなくなってしまいます。つまり、その人にとって健康はお金で買えるというのが揺るぎない大前提であり、買えなかったということは、その人にとっての健康はもう存在しないということになってしまいます。さらに、このことに健康はお金で買えると思っている人本人は気づかないので、絶望して途方に暮れてしまったり・・。
美食の食べすぎ、酒の飲みすぎ、運動不足などにより健康を害した場合、それはお金で代償できないものですね。太りすぎの解消のために高価なエステティックサロンに通ったとしても、高級スポーツクラブに入会しても、結局、最終的には己の煩悩との対峙が全てで、つまり自分で運動して美食を我慢して痩せろというところに行き着きますよね。酒の飲みすぎに対して、健康をお金で買えて、お金で暴飲を無かったことに出来ると本気で思っている人のために、特別な効果があると謳った高価な健康食品が世間に沢山用意されていますが、効果の程は？？？ですね。カモがネギしょっているというのは、こういう現象かもしれません、肝臓もしっかりフォアグラ状態だったりもして。
私の知るご高齢でお元気なスーパーおじいちゃん、おばあちゃん達は、高額な健康食品を買い漁ったりせず、特別な高額実費医療漬けになったりもしておらず、近所の普通のスーパーマーケットで買った有農薬野菜とか日常的に食べながら、身も心もすごく元気だったりします。
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