この文章を書いている今、鍼灸師の高木は断食中です。昨晩の食事の後、常温の水を飲む以外は何も摂取していません。次の食事は今晩、つまりおよそ、24時間の断食の最中です。高木は時折、この24時間断食を行います。長期間の断食は滅多にしません。
この文章は「鍼灸師・高木の断食論」であって、多種ある断食理論を色々と勉強し、さらに己で色々と実際に実践して得た経験からのものです。多種ある断食理論とは相反する部分もあるでしょう。誰がやっても利がある万人向けの方法など存在するはずもなく、そもそも断食という行為が不要な人だって多く存在するはず。
目的は内臓、特に消化器系の休養です。ダイエット目的ではありませんが、余分な体脂肪を減らす効果もあります。ダイエットが目的であれば、断食よりも効率の良い別の方法を自分は体得していますので、それを行うでしょう。
私が実際に実践してきて思う、「断食の利点」は主に以下があります。
1.体調がよくなる。
2.使える時間が増える。
3.お金が貯まる。
4.余分な体脂肪が減る。
5.精神鍛錬
とりあえず、こんな所でしょうか。
1、「体調がよくなる」ですが、内臓を休ませた後の心地よさは高木にとって格別のものです。身体の芯から力が湧き出るような感覚、体は軽く、体力にゆとりが生まれることにより、気持ちも穏やかになり、仕事や勉強へのモチベーションまで高まってきます。
2、「使える時間が増える」、これは断食を本当に実践し、体感しないと解らないものと思います。24時間の間、食べないので、食事の時間を気にしなくてよい、何を食べるか考えなくていい、食事の準備をしなくてもいい、買いにいかなくていい、食事そのものの時間も不要、後片付けするものもありません。今までに無い時間を持て余す感覚、かなりの違和感を覚えると思います。
3、お金が貯まる。そう、買わなくていいんです。節約料理よりもお得。朝食代、昼食代がタダ、0円です。光熱費も発生しませんし、交通費も発生しません。
4、余分な蓄えを使って生きてます。体脂肪がそのまま生きるエネルギーとして消費されるのです。幸福の妨げにしかならない余分な体脂肪は、有効利用すればいいだけ、という単純な発想です。
5、断食中、「何かたべたい」という要求が、幾度となく身体から生じます。食欲です。食欲と向き合い、食欲に人生をコントロールされるのではなく、己の意思で人生をコントロールするための鍛錬になると高木は考えています。さらに、「たかが24時間、こんな短時間の食欲ごときに敗北するようであれば、根性無しもいいところ、何をやっても結果が出せるはずがない。」という考えを、自身の哲学に基づき、己のみに当てはめています。もちろん他者にこんな考えを強制するつもりなど毛頭無く、食欲には勝てないという人を卑下するつもりなど一切ありません。そんなもの各個人の自由です。
いつ、高木はこの断食を行うか? それは体調に違和感を覚え、消化器を休ませてやりたい感覚になった時です。
健康目的であれ、ダイエット目的であれ、食欲が我慢出来ることに憧れを持ちつつも、失敗、つまり途中で「食べてしまう」人からアドバイスを求められることが多々あります。そんな方達に、役に立つのかどうかはわかりませんが、ポイントを一応書いてみます。
●「少し食べる」よりも「食べない」方がラク。
●「カロリーゼロ」食品は、食欲を増進させられてしまうので、避ける。
●食欲から「逃げる」のではなく、むしろ積極的に「向き合う」。
●水以外、一切口にしない。
●いわゆる「断食道場」など無用。
それぞれの理由は、今日は断食 後編に続きます。
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